ここでは一級建築士監修のもと、鉄骨住宅についてメリットとデメリットを紹介します。
家の構造で何が違う?
現役一級建築士に聞いてみました!
樋渡彩華
一級建築士
監修
日本女子大学大学院修士課程修了後、都内建築事務所で働く一級建築士の樋渡さんに解説していただきました。
大手ハウスメーカーの宣伝で、一般向けの2階建て住宅でも、鉄骨造りの家が紹介されているのを見たことがあるかもしれません。
鉄骨住宅は、何もマンションなどの中高層住宅に限ったものではなく、予算と希望によっては選択肢として検討できる住宅なのです。
なお、耐震性能という意味では鉄骨住宅に分があるようにも思われますが、地震によって建物にかかる力は重量に比例するともいわれます。
反面、デメリットとなってしまう点を以下に挙げておきます。
なお別ページで、木造住宅のメリットとデメリットについても紹介しています。参考にしてください。
それぞれ特性が違うので優劣をつけられるものではありませんが、住居用途の一戸建ての建物であれば木造住宅のほうが一般的です。
ただし鉄骨住宅では、構造体の堅牢性を高めたり、柱が少ないことで自由度を高めることが可能です。大開口や大空間は木造では実現するのは難しいので、この点は木造よりも優れているといえるでしょう。
鉄骨住宅は「軽量鉄骨造り」と「重量鉄骨造り」とに分けることができます。
軽量鉄骨造りの場合、構造体で使われる鋼材の厚さは6㎜以下。
プレハブ工法ともいわれ、規格・工業化された製造工程が特徴で、大手ハウスメーカーなどはそれぞれ特性があるものの、メイン商品としてラインナップしています。
まず挙げられる軽量鉄骨造りの特徴は、鉄骨材を短期間に大量生産することが可能なので、納期を短くできコストを抑えられること。ただ、柱や梁が細いため、使用する鉄骨の本数や筋交いを多く利用することにより、鉄骨造からイメージされる細い柱の大きな開口がある建物のイメージとは異なり、壁で構成されるイメージに近くなります。そのため、建築可能な間取りのパターンが限られてしまうことも特徴といえるでしょう。
現場で溶接が必要ではないので、職人の技術による構造や強度の違いが少なく、安定した品質が実現できるというのも魅力です。
こちらは、鋼材の厚さが6㎜を超える鉄骨を利用しているものです。ハウスメーカーの説明で、ラーメン構造と呼ばれるものは、この重量鉄骨造りのことです。
鉄骨造りでは、厚みのある鉄骨を使うので、重量が重くなります。ですので、強固な地盤にしか建てられない工法であり、基礎工事に費用がかかることで、全体のコストが高くなる傾向にあります。
ただし、柱や梁が太い分、軽量鉄骨よりも少ない本数の鉄骨で家を建てられるので、広々とした空間や自由な間取りを作ることができるのも特徴です。法定耐用年が長いのも魅力といえるでしょう。
引用元:トヨタホーム
(http://www.toyotahome.co.jp/chumon/jiturei/example93/)
トヨタホームの「シンセ」シリーズという、重量鉄骨の鉄骨ラーメン構造を採用した商品のなか、「カーダ」というシリーズの住宅です。とにかく開放感を演出していて、ダイニングキッチンやリビング、寝室と書斎などをあえて仕切らず部屋を大きく使っています。
公園を臨むリビングの壁全面を窓にすることで、抜群の景観を眺められる家に。玄関の正面には、大きなピクチャーウィンドウを設置することで、外の庭を絵のように眺められます。細かな部分でも開放感にこだわった家です。
引用元:へーベルハウス
(https://www.asahi-kasei.co.jp/hebel/lineup/casestudy/?id=j153&label=ガレージのある暮らし)
こちらはバイク用のビルトインガレージが設置された重量鉄骨造りの家です。ガレージには高さが必要ないので、ガレージの天井を一部分下げ、その分2階のリビングの床を下げて広がりを持たせるという工夫がされています。
鉄骨住宅だからこそ可能な、大開口を備えた広々空間となっています。縦に空間をつなぐ吹き抜けが、よい開放感を持たせています。
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